成果物



A班(暫定)

「結びつく、街と暮らし」

 我々はこの敷地を考える前に、新たな復興計画の提案を行った。
 世間では復興が進まないと騒がれる中で、復興の現場では暫定の復興マスタープランを元に盛土事業が進んでいる。しかし、生活のための基盤整備にかかる時間を考慮しない復興マスタープランに基づく事業は、市民の生活改善へつながらず、仮設住宅に住む市民は市外移住を決め、陸前高田市を離れていく。
 進まない復興と、進んでしまう復興とのギャップを埋めるため、このまとまった敷地を前提にどのような都市設計を構想すべきか。そのための下地・理論的裏付けとしての復興計画を新たに提案し、この敷地の持つポテンシャルを最大限に活かしたいと考えた。
 一方で、先の見えない復興プロセスの振幅や、周辺環境の変化、社会構造の変化といったリスクを補うようなプランニングとデザインが求められる。街道結節点のポテンシャルと内部での結びつきが相乗効果を生み、復興を収斂させる一助となることを願い、今回の提案としてまとめた。