伊藤さん ■論文名 Chen, J., Newman, J., Bierlaire, M., Modeling Route Choice Behavior From Smart-phone GPS data, Proceedings of the The 12th International Conference on Travel Behaviour Research (IATBR), 2009. ■概要 ・GPSにより、network freeなデータが得られるようになってきた。 ・DDR:ネットワークデータフリーデータとネットワークデータを結びつける概念。 ・DDRだと、マップマッチングとは異なり、経路が複数列挙される。 ・DDRの観測確率式:j-1番目までの観測データを用いて、現在までのリンクが特定できた場合、j番目の観測点が観測される確率を求める。一つ前の観測確率を用いて決める。j番目の観測確率の決め方は、DDR内にリンクが入っているかどうかで求める。 ・観測確率を0.65と設定すると、DDR範囲の推定がほぼ一致するようになる。 ・時速5km以上のときl、GPSソクイホウコウトリンクホウコウとの角度差が60°以内のものを対象とすることとする。 ・アルゴリズムの決定の仕方:j番目の観測点のDDRに含まれるリンクに至るまでの、j-1番目までの経路からの最短経路を通ることにする。経路集合内の経路が一定数になったとき、累積上位9割を残す。 ・時速5km未満の点は経路生成に用いず、尤度計算のみに利用することにした。 ・周南のPPを使って計算した。 ■質疑 羽藤:歩いてる場所によって、精度が変わる。歩行にとってやはりいい。精度いいところはオープンスカイで、ブロックの中は特定しやすい。本当は特定したい細街路ほどむずかしい。 羽藤:逐次的なマップマッチングはカーナビがやってるようなもの。データが入ったときにそれまでのデータと比較して経路を選択し、表示するとか。 羽藤:60°というのはパラメータとして与えてる? 伊藤:条件として与えている。根拠が描いていない。 羽藤:別のアルゴリズムの方がいいかな。θを設定して、DDR半径の線が引けるというのが重要。60°というのが枝を切るということなのだが、アルゴリズムのルールをどのように決める、思いつくかが大事だが。。。 伊藤:滞在時間を比較することで、時間概念を尤度として捉えられるのでは。 羽藤:σが与えられるのかがよくわからない。σ自体が確率分布に依存してて、確率分布が確率分布している、みたいになってる。同じリンク上のxの分布は過程できるので、歩行、滞在みたいな遅い交通の場合は求められるはず。そういうのをどう分析するか。データの特徴量。真値と観測値とがどういう関係にあるかが大事。歩行と車とを区別して、アルゴリズムでどう経路を捨てるか。ウェブダイアリーを含めてどう推定するか。移動判別の仕方、移動と滞在をどう判別するかのアルゴリズム。をパッケージとしてどう提案するか。 羽藤:リンク上のセクトでどう時間を使っているか。上流の定義付けを変えることで研究が深まる。車は交差点で切ってるけど、歩行では違う。神戸、周南、松山は、街路上を分節してデザイン提案をするので。 中西:積分する向きは効いてくる?尤度計算時の向き。最初の曲がるところが効いてくると思う。 羽藤:リンクの切り方が効いてくる。これ、リンクを100mごとに切ってもいいのでは。やろうとしているのは、観測点のデータから経路選択モデルを作成し、最終的に配分モデルに組み込むということ。 中西:観測している側からすると、GPSの観測誤差を正規分布に似せるのに違和感がある。シグマが100mというとき、誤差が100m内に完全にあるときに設定することが多い。ごくわずかな誤差との違いがあることを意識してほしい。 柳沼:ネットワークデータを使ってるから、ネットワークフリーではない? 伊藤:結びつけられてないという意味で使っている。 柳沼:fgεが気になった。分布に従う?こう置きます、っていうことなのか。何か意味があるのかなと思った。 羽藤:ずれると系統的にずれていくということか。 山崎:リンクを細切れにした場合、どのような問題が起きそうか?問題が起きないならリンクを切るべきだと思う。 伊藤:50mで設定すると、往復する経路を取るときに尤度が高くなることがあった。後は計算負荷の問題。 羽藤:切り方による依存がなくなる。中心市街地のデザインや設計思想を纏めていくときに、これで経路が特定できるとは言えない。ブロックごとに切って、ブロック内の回遊パターンを出していくとかができるか。 画像データを使って組み合わせてっていうことはできると思うけど。空間における単位の取り方を考慮して決めるべき。 伊藤:歩道のどっちを通ったかを入れられるのではと思った。確率的に高い方を示してくれる。 羽藤:そんなに精度高いか。3段階のモデルに応用するなら、一番小さいスケールのところは2次元に分節して、どこを通ったかを決める、っていう話か、街路をグラフ的に用いるかの2つかと思うが。 國分:神戸だと、主体の違いによってリンク主体か空間主体かが違うので、地域特性の違いを考慮して応用すべきでは。 若林:今回は上位20で切るという話だったが、50くらいにすると初期値に引っ張られることもなくなるのかなと思った。